
プレイドインターン体験記:大規模ユーザデータを処理する裏側を覗く
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はじめに
はじめまして、プレイドにて8月の1ヶ月間エンジニアインターンに参加しておりました、中村天晴と申します。プレイドではJourneyチームで、定期実行基盤に関するタスクに取り組んでいました。
本ブログでは自分がプレイドにて行った仕事を紹介しつつ、プレイドでの働き方やインターンの魅力をお伝えできればと思います。
Journeyとは
具体的な仕事内容をご紹介する前に、KARTEが持つ「Journey」という機能を紹介させていただきます。
JourneyとはKARTEで得られたユーザ行動を元に、シーンやシナリオに合わせてより1人ひとりの行動にあわせたアクションを実行する機能です *1
*1: KARTE Journey
例えば、「商品をカートに入れたままサイトを離れたユーザに、翌日プッシュ通知でクーポンを送る」といった複雑なシナリオを、管理画面で簡単に作成・配信することができます。
内部の仕組みとしては「定期実行基盤」と呼ばれるバッチジョブが存在し、このジョブが定期的に実行されることでユーザがシナリオ上のステップからステップに移動しています。
Journeyは現在ベータ版の機能として提供しており、今後より多くのニーズに応えられるよう定期実行基盤の改善を進めています。
分岐ノードのデバッグ
ここからは、実際に自分が担当した仕事を紹介していきます。
Journeyではユーザの各ステップを「ノード」という形で表現しており、管理画面上でノードを繋ぎ合わせることで複雑なシナリオを設定します。
今回自分は「分岐ノード」と呼ばれる、ユーザを属性によって異なるノードへと進めるためのノードを作り直す作業に取り組みました。
定期実行基盤には、大きく2つの要件があります。1つは数百万規模のユーザを遅延なく処理できること、もう1つは「カートに入れたが購入しなかった」といったユーザごとの複雑な条件を計算できることです。
この要件を満たすため、アーキテクチャは工夫されており、「次にシナリオを進めるべきユーザを計算・抽出するコンポーネント」と、「実際にそのユーザの状態を次のステップに移動させるコンポーネント」というように、役割が明確に分割されています。
自分が開発に関わり始めた時点で新しい分岐ノードに対応する実装は完了していたのですが、一連の処理が正しく実行できる状態になっていませんでした。自分は、一連の処理が正しく実行されない原因を究明し、処理が完了できるようにするため様々な修正を行いました。
- コンポーネント間で参照しているデータベースが異なっていたため修正
- コンポーネント間でハッシュの生成方法に差異があったため修正
- 分岐判定の誤り原因を調査するためデバッガーを導入
- 分岐ノードで分岐条件を正しく判定できても、実際に分岐先にユーザが移動しない問題の修正
- 評価環境と開発環境の差分をなくすためのマイグレーションの実施
動かない間はひたすらクラウドサービスのコンソールを眺める時間が続き大変でしたが、分岐ノードのテストが正しく動作した時は本当に嬉しく感じました。
BigQueryのオプションジョブ作成モードの適用
Journeyでは一部でBigQueryを利用しています。インターンではパフォーマンス向上とコスト効率化を目指し、BigQueryの改善にも取り組みました。
BigQueryには8月からクエリが短い場合にジョブを作成せずにジョブを実行することができる昨日「オプションジョブ作成モード」が追加されました。*2
*2: オプションジョブ作成モード
この機能がベータとしてリリースされた当初からJourneyではこのモードを利用するために、当時ドキュメントに記載されていた QUERY_PREVIEW_ENABLED
という環境変数を適用していました。しかし、調査してみるとこの環境変数が設定されていてもジョブが常に作成されていることがわかりました。
さらにクライアントライブラリの実装 *3 を調べると、有効化の方法が環境変数での設定からクライアントのオプションとして設定するように変更されていることがわかりました。
そのため、調査結果を元にオプションジョブ作成モードをクライアント側で明示的に指定するよう変更し、短いクエリの場合にジョブが作成されなくなったことを確認しました。
プレイドでのインターン生活
最後にプレイドでのインターン生活で特に印象に残った部分をご紹介します。
Journeyチームでは週次で全体のミーティングがあり、プロダクトの方向性などについての議論が交わされています。自分もそのような会議に基本的に出席するなかで、顧客から求められていることと技術的な制約の間を垣間見ることができました。
そのなかで毎度なぜ技術的な制約があるのかに立ち返りながら、ステークホルダー全員が理解できる形での説明が繰り返されている点から、単なる開発ではなく「仕事」として開発するということを学ぶことができました。
また技術的にも、今ある技術的課題がどこにあるのか、何が原因なのか、短期・長期でどのように解決していくのかといった議論にインターンという身でありながら参加することができたのも非常に面白かったです。
このように単なる開発ではなく、仕事としての開発を感じることができることがプレイドのインターンの一つの魅力だと感じました。
終わりに
Journeyは大量の入力があった場合にも問題なく処理できるようにするため、非常に複雑なアーキテクチャとなっています。
今回のインターンでは初回の1on1の際にメンターの方に分からないことを全て質問する機会をいただいたおかげで、期間を通して複雑なアーキテクチャであってもすんなりと理解することができました。 *4
*4: 利用されているマネージドサービスはほとんど触れたことのないものでしたが、期間を通じてそれぞれの強みと利用されている理由を理解することができました。
プレイドでは与えられた仕事だけでなく、自分が「ここはこうした方が良いのではないか」といった提案がインターン生であっても積極的に採用されるフラットな文化があり楽しく過ごすことができました。
実際にはこの記事の中ではなかなかご紹介できない様々な課題に取り組んだため、ぜひプレイドに入社して確かめてみてください!1ヶ月間お世話になりました!