
開発合宿@金沢湯涌温泉で、目線を上げるための議論を2日間してきました!
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おはようございます!プレイドのエンジニアの @jumpei_ikegami です。
趣味はポッドキャスト配信です。
さて、プレイドでは定期的に、開発チームで合宿に行っています。
現在は開発チームの規模としても、エンジニア約30人、デザイナー約10人と大きくなってきました。
そこで今回は、あえて普段の開発から離れた視点で、「プロダクト」や「事業」や「それらを作るための組織」について、各自が興味あるテーマに沿ってディスカッションをしました。
前回に引き続き、世にも珍しい(?)「開発をしない開発合宿」でした。

(過去の開発合宿のブログ記事は下記)
2016年:秋
PLAID Engineer Camp 2016 Autumn(開発合宿)に行ってきました!
2017年:春
山梨県河口湖に開発合宿へ行ってきました! | PLAID engineer blog
2018年:春
1泊2日ぶっ通しで議論する開発合宿をしに、館山に行ってきました!

目的
今回の合宿の目的は、「普段、話してないことを話す/議論する」でした。
開発チームでは、普段はリアルタイムユーザー解析サービス『KARTE』の開発をしています。日々の業務では、どうしても目先の開発タスクや短期的な売上の話に引っ張られがちです。プロダクトや事業を見る視点を変え、全体を俯瞰的な視座に立ってみたり、切り口を変えてみたりすることで、「自分たちが間違った方向に進んでいないか?」をチェックするいい機会になりました。
特に合宿という機会を議論の場として使うのは、以下の2点で良いと思います。
- 参加メンバーを定常業務から切り離すので、まとまった時間を確保しやすい
- オフィスから距離的に離れているので、発想を飛ばしやすい
また、今回は温泉宿に泊まったのですが、思考を強制的にオフにする装置として、温泉は最高でした。

議論したテーマ
「プロダクトに関連するトピックならなんでもあり」というゆるい枠の中で、参加メンバー各自が議論テーマ案を考えました。その案をホワイトボードに貼り出し、投票やメンバーの熱意の高さで、以下の6つに絞りました。
- BtoCのサービス
- 世界を獲る方法
- お金
- 心理的安全性/個人の成長と生産性
- データへの感情移入
- KARTEをディスラプトする破壊的イノベーション
それぞれの議論の内容について、表に出せる範囲でご紹介します。

BtoCのサービス
プレイドが開発しているメインのプロダクトであるKARTEは、BtoBサービスとして提供しています。そこで、もしプレイドがBtoCのサービスを作るとしたら何をするか、どんなメリットがあるか、などを話し合いました。
- KARTEが目指す「エンドユーザー中心のサービス体験」を体現したWebサービスを、KARTEをフル活用して実現してみたい
- さらには、カフェなど実店舗も運営して、オンラインとオフラインを統合した体験を全力で検証、提供してみたい
- KARTEを本気でドッグフーディングしたい
- 目的をもって実際に使ってみることで、KARTEの本質的な価値やユーザーのpainを実感できる
- 「KARTEの理想の使い方」を示すショーケースを自分たちで作って示すことで、良いKARTEユーザーを増やせる

世界を獲る方法
KARTEのクライアントは、まだ日本の企業がほとんどです。そこで、もしプレイドが「世界を獲った」と言える状況になったとしたら、どのような手段によって実現できそうかをゼロベースで議論しました。
- そもそも「世界を獲れている会社」とはどこか?
- GAFA
- Slackは、世界を取るための挑戦権を獲得している印象
- toBで世界を獲るとしたら、どちらのアプローチを取るか?
- ビジネス向け? / デベロッパー向け?
- 常識的なことをやっていても、成長角度を圧倒的に上げることはできない
- 事業やプロダクトに関する熱い議論を、もっとプレイドのメンバーとしたい

お金
プレイドのエンジニアは、普段の仕事では特に売上に対する直接の責任を追っているわけではありません。そこで、あえて「お金」という切り口でプロダクトや事業について考えました。
- KARTEの機能の中で、お金になる機能とならない機能の違いは?
- KARTEの適正価格とはどのくらいか?
- 「その価格を払ってもいい」と思えるほど価値を感じてもらうにはどうするか?

心理的安全性/個人の成長と生産性
プレイドでは「メンバーの創造力を信じる」という価値観を標榜し、「信じて任せる」という文化があります。しかし、その文化に甘えすぎてしまうと個人の成長や心理的安全性を最大化できないのではないか、という懸念も一方であります。その辺りのモヤモヤについて、議論しました。
- 心理的安全性と個人の成長は、必ずしも相関しないのではないか?
- 障害対応など、心理的な負荷が高いときの方が成長する気がする
- ただし、心理的安全性が高い方が生産性が高いと感じる
- 個人の成長を組織としてケアするとしても、最終的には、成長や生産性には自分で責任をもつしかない
- ただし、フィードバックの仕組みは、もう少し厚めに用意してもいいかもしれない

データへの感情移入
プレイドやKARTEの大きなテーマは、「データを活用し人を徹底的に可視化すること」です。その過程で生まれた疑問である「データをどう集めてどう見せられたら、そのデータに感情移入できるようになるのか」について、議論しました。
- データは人の感情や行動を定量化したものなので、本質的には「好き」になれるはず
- KARTEで人の「顔」が見えると、サイトやアプリのユーザーに対しても「人とやりとりしている」と思える
- むしろ、人間側の感覚を拡張して、データの見方を変えることはできないか?
- そもそも人間が人間に対するときに処理しているデータと比べて、圧倒的にデータが不足している

KARTEをディスラプトする破壊的イノベーション
KARTEは技術やプロダクトデザインの観点で一定のユニークさを維持しています。もし別のスタートアップが破壊的イノベーションを実現し、KARTEを追い越すような存在になるとしたら、どのような手段によってか。そんな妄想を膨らませ、議論しました。
- KARTEがまだ実現できていないレベルで「ユーザーを圧倒的に知る機能」を実装されると厳しいかもしれない
- そもそも、事業体毎に個別のWebサイトやアプリを作るのが当たり前じゃなくなったら、市場的にはシュリンクする
- たとえば、全てのECサイトがAmazonに統合されるとか、すべてのメディアがFacebookに乗っかるとか
- KARTEの設定が複雑化しているので、シンプルさを保った上でやりたいことが自由にできる類似プロダクトが出てきたら大変かもしれない

まとめ
上記を見てもわかるように、思考を立脚させる点を遠くに飛ばして、暗黙の前提や固定観念を取っ払った議論ができたと思います。それも、地理的に金沢という東京から遠い場所に来たということが大きな理由になっている気がしました。
日々の業務に囚われて近視眼的になりがちですが、プロダクトの本質的な価値は何か、自分たちが何を目指しているのか、常に立ち返って開発上の意思決定をできるように、これからも定期的に長期目線の議論をしていきます。

最後に
CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を運営するプレイドでは、KARTEを使ってこんなアプリケーションが作りたい! KARTE自体の開発に興味がある!というエンジニアやインターンを募集しています。
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